昔の牛糞と今の牛糞は異なる
昔の牛は稲ワラを食べていた。
非常な粗食。
蛋白質は少ない。
草食動物である牛。
現在の牛は濃厚飼料を食べている。
蛋白質の多い穀物を食べている。
当然排泄物の糞の成分は大きく異なる。
これは人間の排泄物も同じ。
肉食系の人と菜食主義者の糞では、
その成分は大きく異なることになる。
肉食人種のベルサイユ宮殿の住人の糞は、
多量の窒素を含んでいた糞である。
宝塚のベルサイユのバラ。
舞台では・・・排泄物を削除している。
舞台は仮想空間でもいいが、
ラン栽培、植物栽培では通用しない。
バラとベルサイユ宮殿。
バラ愛好家にとって・・・・このイメージは・・・・究極の組み合わせかも知れない。
バラの歴史をたどるとき、ベルサイユ宮殿は燦然と咲き誇る宮廷庭園である。
宝塚。
ベルバラ・・・・。
しかし、この栽培講座の炭素循環栽培の見方からすると。
ベルサイユのバラは・・・人糞尿にまみれた花である。
なぜなら、この宮殿には住む人の数に比較して極端にトイレが少なかったからである。
人間は王侯貴族だろうが庶民だろうが、食べれば・・・必ず排泄しなければならない。
トイレが少なければ・・・どうしたか????
廊下、階段、部屋の隅で排泄した。
オマル、尿瓶・・・・窓から排泄物を捨てた!
結果・・・・・
窓下のバルコニーのバラは・・・・人糞尿・・・・由来の窒素過剰で枯れた!
ベルサイユ宮殿のバラ園は・・・・排泄物処理場と化した。
ネコ。
用を足せば・・・土、砂を被せる。
土の中には排泄物を分解する嫌気性菌が生息している。
短時間に分解してくれる。
自然界の法則というのは巧妙に出来ている!
人間の排泄物には多量の窒素が含んでいる。
だから・・・蘭栽培でも・・・・後藤健吉先生は・・・・戦後人糞尿を与えていた。
戦後間もない頃、化学肥料が欠乏していたからである。
農家にも、田の面積に硫酸アンモニア、魚粕も配給されていたいた。
そういう時代にに、排泄物も貴重な肥料だったのである。
東京の練馬ダイコン。
ランの渡辺成功先生は練馬ダイコンの育種家であった。
宇井清太がランの育種を人生の目標にしたのは・・・渡辺先生を尊敬したからである。
宇井清太がランに入る決意をしたのも・・・先生が・・・
ダイコンを捨てラン栽培を始めたからであった!
横道にそれたが・・・練馬ダイコン栽培には・・・東京の人の人糞尿を与えた。
このことは俳優 池部良が毎日新聞に連載したエッセイに詳しい。
桶1杯汲めば・・・ダイコン1本を・・・
若い娘3人の家には・・・効き目がありそうだから・・・・もう1本サービスしたのかどうか????
こういうことを・・なぜ書くかといえば・・・・・
人糞尿も・・・・牛の糞の、鶏の糞も・・・牛糞、鶏糞も・・・・・
ベルサイユ宮殿の貴族の排泄物も同じだということだからである。
有機物を腐敗させて作製した液肥も同じだということである。
窒素があるから効く!!
当たり前のこと。
だから・・・窒素過剰にになると・・・病気にかかりやすい植物になる。
枯れ落ち葉に自生する植物に、上記のものを与えれば・・・・
葉は黒味を帯びた緑になり、元気に見える。
生長も早い。
だから・・・常識として与える。
植物に肥料を与えるのは当たり前なことになる。
しかし、自生地では誰も肥料を与えない。
炭素循環の菌。
窒素循環の菌。
全然棲む領域の異なる菌である。
混同してはならない。
バラのような植物でも、過剰な窒素を与えれば枯れるのである。
北海道 原生花園に自生するハマナシ。
根元をみれば分厚く枯れ落ち葉が堆積している。
ここには材木腐朽菌による炭素循環が何千年かかって構築されている。
消毒などしなくとも健康である。
全国各地にあるバラ園。
消毒を頻繁に行っている!
これまでのラン栽培は、ベルサイユ宮殿のバラと同じである。
ラン菌の生息しない養分のほとんどない水ゴケ、バーク、軽石、杉皮などに植えて、
肥料を与えて栽培してきたからである。
ここまで書けば、この肥料というのは・・・人糞尿と同じなのである。
化学的に合成した無機の肥料の窒素も、人糞尿の窒素も同じだからである。
多く与えれば・・・植物は枯れる。
病気にもなる。
ラン科植物はバラと異なって純然たる菌根植物。
更に複雑である。
この複雑なものをナドソンは無菌播種法で単純化し、ランを普通の植物にしたかに見えたが、
ナドソンが到達したのは発芽までのステージであった。
発芽時における必要養分の解明であった。
しかし、自然界ではこの養分条件が満足な状態でも発芽することはない。
自然は無菌条件ではないからである。
養分の争奪戦が雑菌との間で行われるが、ラン種子のスローな生き方では、問題にもならない。
菌根植物の全てを解明したのではなかった。
自然の極一部の謎を解明したに過ぎない。
無菌培養で発芽させたランの苗は・・・・現在も菌根植物であることを捨ててはいないのである。
だからこそ、ラン菌の生息しない用土では、現在もランは難しい。
自生地を再生できない。
山に水ゴケ、バーク、軽石、杉皮・・・・を撒いても・・・・ランは発芽もしなければ、生息も出来ない!
肥料を与えてもダメである・・・。
ランの種子発芽にはラン菌が絶対の条件ではなかったが・・・・
ランの自生地再生にはラン菌が絶対の条件である。
自然農法、有機栽培、EM菌栽培、酵素肥料栽培・・・などがあるが・・・
いづれも菌根植物、ラン栽培には言及していない。
それらの理論では、ランを説明できないのである。栽培不可能である!
植物進化の頂点にあるランを説明できないということは、それらの栽培理論には、
一部に未熟、欠落したところがあるということである。
ベルサイユのバラは・・・
人糞尿で枯れた!
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